【企業のDXに関する調査】企業の経営層・課長クラス1060名を対象に「DXの取り組み、企業課題」について調査

DXに関する課題「DXプロデューサー不足」、「費用対効果が見えない」 経営層、課長クラスともに「DXプロデューサー不足」が最も大きな課題

2024.06.19

世界30ヵ国でデジタルとエンジニアリングを融合させたソリューションを提供するグローバルリーダーであるAKKODiSの日本法人で、企業および組織へエンドツーエンドのコンサルティングサービスを提供するAKKODiSコンサルティング株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川崎 健一郎、「以下、AKKODiS」)は、この度、従業員300名以上の企業に勤める経営層と課長クラス1060名を対象に「自社内のDXへの取り組み状況や課題」について調査を実施いたしました。

DX調査レポート(ダウンロード資料はこちらから)

調査結果概要

  • DXの取り組み状況:
    約7割の企業がDXの「実行段階」。一方で、「具体的な計画がない」企業も約2割存在
  • DX導入の目的:
    経営層、課長クラスともに「業務効率化/省人化」、「コスト削減」が上位。重要視している項目は、「業務効率化/省人化」、「売上向上」
  • DX導入時に不足している人財:
    1位「企画、推進、普及促進を行う人財」、2位「ビジネス・サービスデザイナー」、3位「プロジェクトマネージャー」
  • DX導入課題:
    1位「費用対効果が見えない」、2位「導入コストが高い」

【調査結果コメント】

本調査結果から、経営層は、課長クラスよりもDXの費用対効果や導入コストに対する懸念を強く持っていることが明らかになりました。これは、経営層がDX導入に伴う投資リスクや効果をより深く考慮しているためと考えられます。一方、課長クラスは実務的な側面から見た課題、例えば推進方法やデータ整備の負担をより強く感じています。
DX推進における具体的な計画策定の重要性と、人財不足が急務であることが今回の調査からも明確になりました。AKKODiSは、企業のDX成功の鍵となる「デジタルの民主化」の推進を支援しています。企業が保有しているデジタルデータの可視化からMicrosoft Power Platformを活用した業務効率化支援などを通じて、誰もがデジタルを活用して自らの課題を解決し、業務プロセスのデジタル化を推進する環境を提供します。今後も、具体的な成功事例の共有や、戦略的な計画策定の支援を通じて、企業のDX推進を力強く支援してまいります。

田中 健司

田中 健司
執行役員 兼 ソリューション統括 ソリューション事業本部 本部長

約20年間システムインテグレーターで活動し、様々な業界における企業のDX実現を目的にした、大規模なインフラ、クラウド、アプリ系案件のプロジェクトマネージャーや事業責任者を務め、これまでに1000社以上の企業を支援してきた実績をもつ。クラウド事業に強みを持ち、ここ数年では上場企業の執行役員として事業本部を統括。組織運営を行いながら各企業のDX支援を中核とした複数の新規サービスの立ち上げ、収益化を実現している。

調査結果詳細

DXの取り組み状況:約7割の企業がDXの「実行段階」。一方で、「具体的な計画がない」企業も約2割存在

回答企業の多くがDXを重要な経営課題と位置付けており、DXの取り組み状況については、「実行段階」が全体の68%、「計画段階」が12%と、すでにDXの取り組みを実行している企業が大多数であることがわかりました。また、12%が計画段階と回答し、全体の約20%は、「今後取り組む予定ではあるが、具体的な計画はない」状態と回答しました(図1)。

企業のDX取り組み状況に関する円グラフ。1060社中、68%が『実行段階』、12%が『計画段階』、20%が『計画なし』。具体的な施策を実行している企業は46%で、検討中や実証段階は22.1%、計画はあるが時期未定は7.4%、3年以内の開始予定は4.3%、計画なしだが将来検討予定は20.2%
【図1:DXの取り組み状況(n=1060社)】

DX導入の目的:経営層、課長クラスともに「業務効率化/省人化」、「コスト削減」が上位。重要視している項目は、「業務効率化/省人化」、「売上向上」

DX導入の目的は、「業務効率化/省人化」、「コスト削減」の順に多く、「売上拡大」、「基幹システムの刷新、再構築」などが後に続く結果になりました。DX導入の目的に関しては「経営陣と課長クラス」の比較、「実行段階と計画段階」比較においても同じような問題意識をもっていることがわかりました(図2)。 また、「DX導入の目的」の項目で優先順位を1位と回答した項目を分析したところ、回答数が多かった「業務効率化/省人化」が最も多く、次いで「売上拡大」を1位と回答した企業が4割以上ありました。その一方で、回答数が2位だった「コスト削減」を1位に選んでいる企業は15%にとどまりました(図3)。

DX導入の目的に関する棒グラフ。左側は経営陣と課長クラスの比較、右側は実行段階と計画段階の企業の比較。いずれの分類でも『業務効率化/省人化』が最も多く、経営陣87.2%、課長クラス81.1%、実行段階企業86.0%、計画段階企業74.2%が選択。次に『コスト削減』『売上拡大』『基幹系システムの刷新』などが続く
【図2:DX導入の目的①(n=846社)】
DX導入の目的に関する散布図。横軸は各項目の回答者の比率(1位〜3位)、縦軸は『目的の第1位』と回答した比率を示す。『業務効率化/省人化』は8割以上が選択し、約3分の2が第1位と回答。『コスト削減』は5割超が選んだが、第1位は少数。『売上拡大』は第1位の割合がやや高く、『基幹系システムの刷新』や『顧客接点強化』など他の目的は比較的低位に位置している
【図3:DX導入の目的②1位の割合(n=846社)】

DX導入時に不足している人財:1位「企画、推進、普及促進を行う人財」、2位「ビジネス・サービスデザイナー」、3位「プロジェクトマネージャー」

DXを導入するうえで不足している人財については、「DXの企画・推進・普及ができる人財(プロデューサー)」と回答した比率が、経営層、課長クラスともに非常に多い結果になりました。DXの成功には、戦略的な企画と推進力が不可欠であり、特に「経営陣」ではこのプロデューサー人財に対し、より強い人財不足感が示されていることがわかりました。また、プロジェクトマネージャー、ビジネス/サービスデザイナーなど、技術的実行力が求められていることがわかりました(図4)。

DX推進に必要な人材の不足状況を役職別に示した棒グラフ。経営陣・課長クラスともに『DXの企画、推進、普及促進を行う人材』の不足が最多で、経営陣は64.9%、課長クラスは48.9%。次いで『プロジェクトマネージャー』『ビジネス/サービスデザイナー』『エンジニア(社内SE)』などが続く。その他、UI/UXデザイナー、データサイエンティスト、デジタルマーケターの不足も一定数見られる
【図4:DX導入時に不足している人財(n=846社)】

DX導入課題:1位「費用対効果が見えない」、2位「導入コストが高い」

DX導入における課題は、「費用対効果が不明確」、「コストの高さ」が高い結果になり、DX導入によって得られる効果が明確ではないと感じていることがわかりました。いずれも、経営層の方が強く感じている課題感であり、意思決定にも影響を及ぼす可能性があります。また「推進方法が不明確」、「データ整備の負担」、「エンジニア、プランナーがいない」など具体的な課題に直面していることも明らかになりました(図5)。

DX導入における課題を経営陣と課長クラスで比較した棒グラフ。最も多かった課題は『費用対効果が見えない』(経営陣37.4%、課長クラス28.3%)、次いで『システム利用/導入コストが高い』(経営陣37.8%、課長クラス29.2%)。また、『DXの具体的な推進方法が不明確』や『目的・課題が不明確』も共通の課題として挙げられている
【図5:DX導入の課題(n=846社)】

※Microsoft、Power Platformは、米国 Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

【調査概要】

調査対象︓ 企業のエンジニア採用担当者
調査対象者︓従業員300名以上の企業にお勤めの課長クラス、経営層
サンプル数:1060名
調査方法︓インターネット調査(インテージ社)
実施時期︓2024年3月 13日〜3月 15日

※回答結果はパーセント表示を行っており、小数点以下第 2 位を四捨五入して算出しているため、各回答の合計が 100%にならない場合があります。