AKKODiSの組織と部門についてご紹介します。

- クライアント
- ヤマハ発動機株式会社
https://global.yamaha-motor.com/jp/ - 担当部署
- 生産本部製造統括部 組立工場品質管理課
- 業界
- 自動車・輸送(モビリティ)
- 支援内容
- 自動二輪車の外観検査システム設計・構築業務
- プロジェクト概要
- ヤマハ発動機株式会社は、「世界の人々に新たな感動と豊かな生活を提供する」ことを企業目的として、二輪車の開発を起点にランドモビリティ、マリン、ロボティクスなど幅広い事業を展開しています。ものづくりにおいては「品質のヤマハ」を掲げ、提供する製品やサービスの品質へのこだわりを大切にしてきました。
本社工場でのモーターサイクルの生産数は年間およそ20万台にのぼり、多品種少量生産を強みとしています。一方で、車種や仕向地ごとに異なる仕様への対応など、外観検査は高度化・複雑化していました。ヤマハ発動機では、さらなる品質向上と生産現場の効率化に向けて外観検査システムの導入を進める中、より柔軟で高度な検査を実現するため、他事業部での支援を通じて信頼関係にあったAKKODiSに相談。これを受けて、AKKODiSは現場との対話や調査により安定した記録撮影や必要画像の確実な保存などの課題を明確化し、AIをはじめとした最新技術を活用したシステムの開発を検討しました。
支援にあたり、AKKODiSは現場に深く融合(Fusion)するパートナーとして、工場内での検証を重ね、多品種のモーターサイクルを安定的に撮影し、AIで検査する外観検査システムを構築。あわせて、撮影した画像を検索・閲覧できる画像検索アプリを開発しました。画像検索アプリはすでに現場の作業負担を軽減しており、外観検査システムは検査精度の向上に向けて実用化・安定化を進めています。
今回のプロジェクトについて、ヤマハ発動機株式会社の岡田さま(工場長)、中野さま(課長)、鈴木さま(画像検査装置担当)、およびAKKODiSのTech Consultantである柴本、徳田、営業担当の本田にお話をうかがいました。
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- 抱えていた課題
- —モーターサイクルの多品種少量生産に対応するため、外観検査のさらなる高度化を推進
- —機種や仕向地ごとの仕様にも柔軟に対応できる外観検査システムの実現を目指していた
- —海外拠点への技術提供や教育も見据え、新たな検査システムの実用化と展開を進めていた
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- AKKODiSの取り組み
- —現場での検証を重ね、多品種のモーターサイクルを安定して撮影できるシステムを開発
- —複雑な検査項目にも対応できるよう、AKKODiS AI-Core®の技術を活用した外観検査システムの試作評価を実施
- —特定の撮影画像を探す作業を効率化したいという現場のニーズに応えるため、画像検索アプリを開発
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- プロジェクトの成果
- —外観検査システムの実用化が進むことで、全社的な検査精度の向上に期待
- —画像検索アプリにより検査以外の画像確認のニーズにも対応可能に
- —将来的には他の生産ラインや海外拠点への展開も視野に
モーターサイクルの生産と海外への技術提供に取り組む
―はじめに、生産本部製造統括部組立工場品質管理課で行っている業務やミッションについて教えてください。
岡田さま:当工場では、モーターサイクルのエンジンと車体の組み立てを行っています。生産数は年間およそ20万台、機種は50ccから1300ccまで幅広く、仕向地は国内ほか北米やヨーロッパなど多岐にわたります。
また当社はASEAN諸国や北米、ヨーロッパなど世界各地に拠点があることから、海外の工場への技術提供や教育にも取り組んでいます。マザー工場として新しい技術を広めていくこともミッションと捉えています。

生産本部 製造統括部
組立工場 工場長
岡田 祐介 さま
―本プロジェクト以前からもご支援させていただいておりますが、今回はどのような経緯でご相談いただいたのでしょうか?
岡田さま:当社としては、以前から複数の他事業部においてAKKODiSさんに開発支援(エンジニア派遣)や教育、調査に関するご相談をさせていただいておりました。ご支援の際には、現場との対話や調査を通じ、当社の課題について深く理解いただき、対応いただいていたとうかがっています。そのような経緯から、今回のプロジェクトについては、現場の課題に理解があり、最先端の技術に知見のある方を探していたときに、前工場長と以前業務を共にされていた柴本さんにご相談させていただいたのがきっかけです。
AKKODiS 柴本:私はもともと船外機の設計でヤマハ発動機さまとお仕事をさせていただいており、そのつながりでお声かけいただきました。新しい画像検査システムの導入を検討されているというお話をうかがい、その頃に当社もAIを活用したシステムの開発に注力していたので、ぜひご協力したいとお答えしました。

Mobility本部第3事業部
ソリューションサービス第1グループ
柴本 貴弘
多品種少量生産による検査の複雑化に対応できるシステムを検討
―ご相談にあたり、特に課題に感じていたのはどのような点でしょうか?
中野さま:多品種少量生産により、複数の機種を取り扱う中で、外観検査が複雑化していたことです。検査の負担を軽減し、精度を向上するためにも、外観検査システムの導入を検討していたのですが、なかなか自社に合ったシステムを見つけることは容易ではありませんでした。
岡田さま:モーターサイクルの外観検査では、単に製品にへこみがあるかどうかといった良否判断だけでなく、機種による色味やステッカーの有無、仕向地による仕様の違いなどの判断も必要になります。そうした細かな判断はもともと人の目で行っていたものですので、機械で判別できるようにするのが難しかったという背景もあります。そこで、最新技術を活用できないかと考え、さまざまな技術に知見のあるAKKODiSさんにご相談させていただきました。

生産本部製造統括部
組立工場品質管理課 課長
中野 冬麻 さま
AKKODiS 徳田:今までさまざまな製品の外観検査システムの開発を担当させていただいておりましたので、今回のご相談内容をうかがって、お役に立てる部分があるのではと感じました。特に多品種のモーターサイクルを安定して撮影し確実に記録・確認できる仕組みづくりが課題になっていたので、それを解決できる方法を検討していきました。
現場と密に連携することで高精度の自動撮影システムを開発
―今回のプロジェクトでAKKODiSから実際にどのような支援を受けましたか?
鈴木さま:現場に合ったシステムの構築や、その導入準備などを行っていただきました。当社の外観検査では、オートバイ1台という大きなものを撮影するため、当初は検査用の画像を安定して撮影することが難しかったのですが、撮影データを毎日共有してAKKODiSさんに解析してもらうなど、密に連携しながらシステムを構築していきました。

生産本部製造統括部
組立工場品質管理課
鈴木 雄大 さま
AKKODiS 徳田:私たちも何度も工場に入らせていただき、実際に現場で装置を組み上げるところから着手させていただきました。カメラやパソコンの選定にも携わらせていただき、最終的には想定していたとおりのシステムを作ることができ、非常にありがたかったです。大きなシステムだったので、不具合が発生しないよう実機を使った検証も複数回行いましたが、ヤマハ発動機さまにはその都度、現場の様子や課題などを迅速に共有いただき、安定したシステムを作り上げることができました。
―AIを用いたシステムも導入されたということですが、詳しく教えてください。
鈴木さま:より精度が高く安定したシステムを構築できるよう模索する中で、AIによる画像検査システムをご提案いただきました。導入にあたっては、現場でシステムが問題なく動かせるよう、検査システムの開発元のAKKODiSドイツのご担当者さまともやりとりさせていただき、リモートで現場の様子を見ていただいたこともありました。画像のリアルタイムデータ化の解析ポイントを確認しながら、必要な調整なども迅速に対応していただきました。
AKKODiS 徳田:ヤマハ発動機さまの課題にマッチしたシステムを提供したいということで、AI-Core®というプラットフォームをご提案させていただきました。AI-Core®はAKKODiSが提供するAIプラットフォームで、画像認識やデータ解析、検証・評価などを支援する仕組みとして活用されています。今回のプロジェクトでは、このAI-Core®をベースに外観検査システムを試作しています。ヤマハ発動機さまの現場に合わせてカスタマイズを行うにあたり、AKKODiSドイツ法人のAI-Core®開発メンバーにも協力いただきました。

Solution Accelerator本部Enterprise Innovation部
データサイエンス&AIグループ プロジェクトマネージャー
徳田 肇道
―どのような点をカスタマイズしたのでしょうか?
AKKODiS 徳田:今回は車体を安定して撮影することが課題でしたので、車体を多数のカメラで複数の方向から撮影できるようカスタマイズしました。車体の流れてくるペースは一定ではなく、種類もさまざまなので、自動的に検知して連続撮影できるようなシステムが必要でした。
中野さま:オートバイ1台の画像検査というと、一般的な外観検査よりも検査項目が多く、撮影しなければならない箇所も増えますので、非常にチャレンジングだったと感じております。今後他の検査などでも活用できるよう拡張性を持たせたいというご相談もさせていただきました。
―現場とAKKODiSとの関わりの中で、印象に残っていることはありますか?
鈴木さま:気になる点があった場合にその日のうちにご返事いただくなど、スピード感を持っていただけたことが、大変ありがたかったです。現場の要望に対しても、いつもこちらで想定していたものにプラスアルファで提案いただき、感謝しております。
特に印象に残っているのは、画像検索アプリを開発いただいたことですね。現場で以前から、作業の振り返りのために外観検査で撮影した画像を見たいという要望があったのですが、数多くの画像の中から特定の画像を探すことは難しく、大きな手間になっていました。そこで、AKKODiSさんにご相談したところ、画像検索アプリをすぐに開発いただき、半日かかっていた検索作業が30秒ほどで行えるようになりました。
AKKODiS 徳田:検索アプリの開発は私たちにもメリットが大きかったですね。私たちもAI学習などのために撮影した画像を使うことがあるのですが、その際に必要な画像を見つけるのに苦労していました。検索アプリによってその作業を効率化できるようになりましたので、開発の機会をいただきありがたかったです。
―AKKODiSとしては、お客さまと融合(Fusion)してプロジェクトを進めることで、どのような学びがありましたか?
AKKODiS 本田:私は営業として、現場とAKKODiSの担当者の間の調整などを主に担当させていただいています。ヤマハ発動機さまには、いつも迅速にご対応いただくとともに、課題解決に向けて一緒に取り組んでいただき、感謝しております。今回のプロジェクトでは、お客さまとの融合(Fusion)をテーマに、依頼されたことをそのまま行うだけではなく、一緒に考えながら目標に向かっていくことを信念として取り組ませていただいています。メールのやりとりだけを見ても、それが実現できていたと感じています。

Mobility本部第3事業部営業グループ
本田 靖幸
AKKODiS 徳田:画像検索アプリを開発する際には、ヤマハ発動機さま側から「こんな画面にしてほしい」といったイメージを作ってご提示いただくこともありました。さらに、それをもとに開発していく中で、「もっとこんな機能がほしい」「こういうボタンをつけたい」などとフィードバックをいただき、ブラッシュアップしていくことができました。まさにお客さまと一緒に作り上げていくという融合(Fusion)の取り組みを実感でき、私たちとしてもうれしかったですね。
―プロジェクトを通じて得られた技術的な知見や成長実感などはありましたか?
AKKODiS 徳田:複数台のカメラとの連携を含めた新しいシステムの構築方法を考案させていただく中で、製造現場ではAI技術だけではなく、撮影やデータ管理などの周辺機能も同じくらい重要であることを学びました。これは現場でお客さまと対話しながら取り組んだからこそ得られた知見だと考えております。
また、今回は海外メンバーとも連携させていただきましたが、当社のAI-Core®への理解もより深まり、AI技術のさらなる活用の可能性も感じました。お客さまの生の声を聞きながら新しい技術を用いた開発に携わらせていただいたことで、スキルアップにもつながったと考えております。
実用化を進めることで、海外拠点や他の生産ラインへの展開も期待
―プロジェクトによる成果や反響について教えてください。
中野さま:現在はシステムのさらなる安定化に向けた取り組みを進めており、実際に数値的な成果が見えてくるのはこれからという段階ではありますが、現場で広く実用化できるようになれば、全社的な検査精度の向上や不具合流出リスクの低減につながるのではないかと思っております。

岡田さま:現場のモチベーションアップにも効果があると期待しています。外観検査というとどうしても不良を見つけるというイメージがあるかもしれませんが、現場ではポジティブな表現として、「全数良品」という目標を掲げています。システムによって検査精度が向上し、毎日「全数良品でした」という状態が続くようになれば、現場のやりがいにもつながると考えています。
鈴木さま:外観検査システムで想定していた成果以外の部分について言えば、画像検索アプリによって半日かかっていた作業を30秒程度に短縮できたのも大きな変化だと思います。この機能によってトレーサビリティも上がり、現場の作業負担も大幅に軽減できました。
AKKODiS 本田:私たちがやりがいを感じるのは、まさにこうしたお話をお聞きしたときですね。お客さまに実際に喜んでいただけるのは、私たちにとっても大きなモチベーションになります。
―今後の取り組みについて、AKKODiSに期待することはありますか?
岡田さま:世の中の流れとして製造現場でもDXに取り組むことが急務になっている中、私たちもより高水準な技術を取り入れて、他の拠点にも良い影響を与えていきたいという思いがありました。特に車体の外観検査システムの導入は海外でも難航しており、日本の本社でいち早く技術を確立させる必要があると感じていました。それを今回のプロジェクトで進めることができ、大変感謝しております。今後は技術の実用化を進め、海外拠点を含め全社的に展開していきたいと考えています。
中野さま:今回AIを使ったシステムをご提案いただきましたが、検査精度の高さや判定のわかりやすさなどが印象に残っています。私自身もAIの仕組みや処理について非常に勉強になりましたので、ご相談させていただいて良かったと感じました。こうした新しい技術の活用についても、今後も期待しております。
鈴木さま:私は去年まで完成検査といって完成車の検査を行う部署にいたのですが、多機種多仕様のバイクを扱うため、人の記憶による検査の負担が大きくなってきていることが課題だと感じておりました。今回のシステムはこうした他部署の課題にも対応できると思いますので、今後さらに実用化が進むことを期待しております。

―ヤマハ発動機さまからの期待を受け、AKKODiSとしてどう応えていきたいですか?
AKKODiS 本田:今回、システムを構築させていただいたのは1つの生産ラインのみですので、これを他のラインにも広げていき、将来的には海外でも導入いただけるようにできればと考えております。このプロジェクトの成功が他の開発にも好影響を与えられるよう、今後も着実に取り組んでいきたいと思います。
AKKODiS 柴本:私は現在、本プロジェクト以外では船外機の設計を担当していますが、船外機も仕様が多く、部品によって色差が出てしまうこともあり、検査の負担が課題になっています。いずれはこのシステムを、モーターサイクル以外の製品にも対応できるようブラッシュアップしていけたらと考えています。
AKKODiS 徳田:実際に現場で役立つシステムを開発することは私たちにとっても大きな達成感になりますので、今後も現場の皆さんの課題に寄り添いながら継続的にシステムを改善し、将来の展開拡大にも貢献したいと考えています。「お客さまと一緒によりよいものを作る」という姿勢で取り組んでいきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

Fusion Activatorsとは
日常から現場までお客様と業務をともにするテックコンサルタントが、信頼関係と現場理解をベースに本質的課題を特定し、お客様とAKKODiS互いの資産を融合〈Fusion〉して現場改革を目指す、当社ならではのサービスです。
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