SCSK:ITインフラ事業の根幹を担うサービスマネージャを育成。実践重視の研修で能動的に課題解決する提案型ビジネスにシフト

2026.07.06

SCSK:ITインフラ事業の根幹を担うサービスマネージャを育成。実践重視の研修で能動的に課題解決する提案型ビジネスにシフト | AKKODiS(アコーディス)コンサルティング株式会社

クライアント
SCSK株式会社
担当部署
ITインフラサービス事業グループ 基盤ソリューション事業本部 事業革新推進室(2025年度当時)
業界
情報・通信業
支援内容
提案プロセス研修、思考と発想のリブート研修
プロジェクト概要

SCSK株式会社は、「夢ある未来を、共に創る」を経営理念とし、コンサルティングから、システム開発、検証サービス、ITインフラ構築、ITマネジメント、ITハード・ソフト販売、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)まで、ビジネスに必要なすべてのITサービス をフルラインアップで提供しています。各業界の主要企業を網羅した強固な顧客基盤および、業界固有のITサービス需要に応えるさまざまな業務ノウハウや技術を強みとしています。

2024年10月、同社は基盤ソリューション事業本部で担っていたインフラ構築とシステム運用の2つの事業のうち、システム運用の事業を専門のグループ会社に移管。本部はインフラ構築事業を中核とする体制へと変化しました。この事業構造の変化を踏まえ、顧客の潜在課題を能動的に見出し解決することで価値を提供していく業務スタイルへ変革するため、その役割を担う人財である「サービスマネージャ」の育成に取り組み始めました。

サービスマネージャの育成にあたり課題となっていた、従来の要望対応に重きを置いた活動から提案型の活動へのシフトを図るべく、AKKODiSの「提案プロセス研修」と「思考と発想のリブート研修」を導入。実践を重視した設計としたことで、受講者の課題に対する向き合い方が変化し、相談件数の増加など顧客からのポジティブな反応にもつながりました。

今回はこの取り組みについて、浅見忠宏さま(SCSK株式会社 ITインフラサービス事業グループ マネージドサービス事業本部 事業推進部 第一課/課長補佐)、企画・設計を務めた副島一隆(AKKODiS People Development本部 トレーニングデリバリー第2部 ビジネスプロフェッショナルグループ)に話を伺いました。

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課題背景〜成果までの具体事例をご紹介

抱えていた課題

能動的に価値を提供していく業務スタイルに対応できる人財が必要に

―どのような課題を抱えていましたか?

浅見さま:2024年10月の事業移管により、本部がITインフラ構築事業を中核とした体制に変わったことを踏まえ、単に従来の事業を継続するのではなく、顧客の潜在課題を能動的に見出し解決することで価値を提供していく業務スタイルへの変革が必要だと考えていました。そのためには、顧客から依頼された作業を着実に実行するだけではなく、顧客により深く向き合い、解決に貢献することで信頼され、欠かせないパートナーになっていくことが重要になります。

そこで着手した取り組みの1つが、サービスマネージャの育成です。当社では、顧客との関係を深め、課題を捉え、解決に向けた取り組みをリードしていく役割を「サービスマネージャ」と位置付けており、このような役割を担える人財を計画的に育成し増やしていく必要がありました。

SCSK浅見さま

SCSK株式会社
ITインフラサービス事業グループ マネージドサービス事業本部 事業推進部 第一課/課長補佐
浅見 忠宏 さま
※研修当時:ITインフラサービス事業グループ 基盤ソリューション事業本部 事業革新推進室 第一課/課長(2026年3月まで)

—サービスマネージャの育成にあたり、障壁となったことはありますか?

浅見さま: 当時のサービスマネージャは、顧客要望が起点となる営業スタイルを中心としており、提案型の活動が定着していなかったことです。能動的な価値を提供するためには、既に表出している課題だけではなく、顧客の抱える潜在的な課題を見つけて深掘りし、ともに解決していくことが求められます。このような顧客視点に立った取り組みが不足していると感じていました。

また、これまでの業務体験で得た成功体験や、自身で確立してきた対応方法に基づいて行動するだけではなく、課題解決に向けて視点を変えて物事を捉えたり、革新的なアイデアを出したりといった柔軟な思考や発想力を身に付けてもらうことも必要だと考えていました。経験に基づく活動は強みになる一方で、対応が画一的になってしまう原因にもなるためです。
このように、顧客とともに課題を導出し柔軟な思考と発想で顧客にとっての最適解を提案・実現できる人財をどのように育成していくかが課題でした。

AKKODiSの取り組み

スキルを定着させるために実践までを含めた研修を設計

—AKKODiSに研修を依頼する決め手となったのはどのような点ですか?

浅見さま: 2023年度に本部内の特定の部でAKKODiSの「課題解決研修」を実施しており、研修を依頼した責任者や受講者へヒアリングし、内容や講師の評価が非常に高かったことがきっかけでコンタクトをしました。受講者からは講師の説明が大変わかりやすい、自身の体験を交えた事例も豊富で、教材が理解しやすいといった声もいただいていました。

そこで、今後、課題解決型の行動が必要なサービスマネージャの研修として実施できないかと考え、副島さんに相談させていただきました。打合せの中では、人財育成に取り組む背景や目的、対象となる人物像などについて丁寧に質問していただき、より当社の実態に合った研修になるよう積極的に考えていただいた点が印象に残っています。

—研修プログラムを考えるにあたり、どのような点を重視されましたか?

浅見さま: 研修を実施して終わりではなく、受講者の「行動変容」を目的とした実践的な研修になるようご相談させていただきました。人財育成の研修では、研修を受けた直後は受講者の意欲も高まりますが、時間が経つとその思いが薄れてしまうこともあり、実際に実務に生かしていくことに課題があると感じていました。そこで、標準的な研修に加えてより実践的なプログラムを設計することができないかとご相談させていただきました。

AKKODiS副島:スキルの定着が課題になっているとご相談をいただき、「実践する」こと自体を研修の取り組みの1つとして位置付けました。実践期間とそのフォローアップも含めた構成にすることで、受けっぱなしで終わりにならない研修を目指しました。

AKKODiS副島

AKKODiS
AKKODiSコンサルティング株式会社
People Development本部 トレーニングデリバリー第2部 ビジネスプロフェッショナルグループ
副島 一隆

―実際に行った研修内容について教えてください。

浅見さま: 今回、2つの研修を提供いただきました。1つ目は、課題解決型のアプローチで提案力を高める「提案プロセス研修」。2つ目は、自身の思考の癖を知り、顧客側の立場で価値を言語化したり、新たな発想方法を学ぶ「思考と発想のリブート研修」です。

まず、提案プロセス研修は、Day1・Day2の2日間の研修と約3カ月後のフォローアップ研修を組み合わせた構成にしました。具体的な内容としては、前半の2日間の研修では、ケースを使ったロールプレイングを中心に行い、提案プロセスを体感的に習得してもらいます。そして、研修後に約3カ月の期間で実践課題に取り組んでもらい、そのフォローアップ研修を行います。受講者同士が実践で得た学びを共有・フィードバックできるようにすることで、スキルのさらなる定着を促しました。

AKKODiS副島:提案プロセス研修では、顧客へのインタビューなどの実践的なワークを中心に行い、受講者に手を動かしてもらうことを重視しました。講師から話を聞く時間は3割くらいで残りの7割は受講者に実践してもらうといったイメージですね。インプットした知識や理論を演習でアウトプットすることで、頭だけでなく体感的に理解が進み、さらにフォローアップ研修までに実践課題を出すことで、よりスキルを定着させやすくしました。

これまでにない提案を行うための思考や発想を広げる研修を実施

―「思考と発想のリブート研修」についても教えてください。

浅見さま: サービスマネージャが能動的に価値を提供していくためには、今までのやり方や過去の成功体験にとらわれず、広い視野を持ち新しい提案を行っていく必要があります。とはいえ、自身の経験に基づく方法を変えたり、思考や発想を広げたりすることは容易ではありませんので、その点をサポートできる研修ができないかとご相談させていただきました。

そこで、課題解決の流れを学んでいく提案プロセス研修に対して、そのプロセスの中で活用できる思考・発想法を学べる研修という形で「思考と発想のリブート研修」を提供いただきました。この研修は、提案プロセス研修に取り入れているロジカルシンキング以外のさまざまな手法を習得できる内容となっていますが、当初は認知バイアスに関する研修やラテラルシンキング、クリティカルシンキングを取り入れた研修など、さまざまな内容を盛り込めないかご相談させていただきましたね。

AKKODiS副島:ご相談にあたり、まず認知バイアスというキーワードをいただいて、そこから具体的な内容を考えていきました。ゼロからの設計でしたので、受講者にどのようなことを学んでもらい、どのようなスキルを身に付けてほしいのかといった点についてディスカッションを重ね、慎重に検討していきましたね。浅見さまと意見を出し合いながらともに作っていくことで、より実態に合ったプログラムにすることができました。

プロジェクトの成果

顧客の課題に対する向き合い方が変化し、ポジティブな反応が増えた

―どのような成果がありましたか?

浅見さま 顧客の課題をただ聞くのではなく、課題の背景まで深く理解するようになったなど、受講者の課題に対する向き合い方に変化が生じたと感じています。それによって、顧客からの相談が増えるなどポジティブな反応も見られ、案件が前進したといった実務報告も寄せられるようになりました。

たとえば、顧客課題を見つけるために、これまでの担当業務の範囲だけで会話を終えるのではなく、顧客の業務全体や背景について幅広く質問することを意識するようになったという声がありました。その結果、これまで以上にさまざまな情報を共有していただけるようになったり、「こういうことも相談できないか」といった形で新たな相談をいただく場面が増えたという話も出ています。
また、RFP対応でも変化が見られました。ある案件ではRFPに書かれている内容だけで提案をまとめるのではなく、その背景や顧客が本当に実現したいことを丁寧にヒアリングすることを意識した結果、顧客との信頼関係が深まり、以前よりも提案機会が増えたというケースもありました。

SCSK浅見さま、AKKODiS副島

―成果が得られた理由はどのような点だと思われますか?

浅見さま 単にスキルや知識の習得だけにとどまらず、「顧客をどのように理解し、どのように価値を提供していくか」という考え方の部分にも踏み込んだ研修にできたことがポイントだったと考えています。
受講者が日々の顧客対応の中で実際に試してみようと思える内容だったことが、行動の変化にもつながったのだと思います。

―受講者からの反応はいかがでしたか?

浅見さま 「今まで受けた研修の中で一番良かった」という声や、「研修に苦手意識があったけど意識が変わった」という声のほか、「課題の発見から提案までの一連の流れを自分ごと化できるようになった」というコメントも得られました。研修が終わったあとに拍手が起きた回などもあり、手ごたえを感じました。

このような反応が得られたのは、充実した研修内容に加え、講師の方の柔軟な対応があったからだとも感じています。今回の研修は受講者が100名を超えており、数日に分けて実施しました。そのため、開催回によって受講者の雰囲気や特性は異なり、最初から活発に発言が出る回もあれば、やや発言が少ない回もありましたが、そうした状況に応じて講師の方が受講者への働きかけ方を変えているように感じました。回ごとの雰囲気を見ながら柔軟に対応されている点に、非常にプロフェッショナルな印象を受けました。

AKKODiS副島:受講者が多く、同じ内容の研修を何回か実施する形式だったので、回ごとに受講者の反応やアンケートの内容を見て、伝える事例を変えたり、伝え方や伝える順番を変えるなどで理解が深まるように細かいチューニングを繰り返しました。各回実施後のフィードバックをもとに改善点を即時反映し、より品質の高い研修を実施できるよう取り組みました。

SCSK浅見さま、AKKODiS副島

―今後期待することは?

浅見さま 現在は研修を受けた人財が活躍し始めている途上の段階ではありますが、顧客との関係の質や相談のされ方に変化が生じていることは確かだと思います。こうした変化の積み重ねが、今後の事業拡大につながっていくと期待しています。

また、今回の研修が成果に結びついた理由として、コンテンツの質の高さや講師の方の進め方の適切さなどはもちろんですが、それに加えて人財育成について気軽に相談できる副島さんの存在も大きかったと感じています。相談を歓迎してくださる姿勢や、より良い研修にしていこうとする姿勢は、2024年からの2年間のやり取りの中で強く印象に残っています。

私たちが目指しているサービスマネージャ像は、顧客の状況をよく理解し、相手の立場で考えながら価値を提供していく存在だと思っていますが、AKKODiSさんの関わり方はまさにそれを体現されているように感じています。今後もそうした視点で、私たちの人財育成の取り組みを支援していただけることを期待しています。

SCSK浅見さま、AKKODiS副島

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