ヤマシタ:全営業所の課題解決を目指しローコード/ノーコード開発者を育成。 4日間の実践型DX研修で養われた視点と成果

ヤマシタ:全営業所の課題解決を目指しローコード/ノーコード開発者を育成。 4日間の実践型DX研修で養われた視点と成果

ヤマシタ

クライアント
株式会社ヤマシタ
担当部署
デジタル本部DX推進部
業界
福祉用具レンタル / リネンサプライ
支援内容
ローコード・ノーコード開発者の育成、現場課題解決に直結する実践型DX研修、伴走型サポート
プロジェクト概要
1963年創業の株式会社ヤマシタは、介護用品レンタル・販売とリネンサプライを主力とする企業です。これまで介護と衛生の分野で 豊富な実績を積み重ねてきました。 全国78の拠点と6つの自社工場を展開し、1,000名を超える福祉用具専門相談員が利用者本位のサービスを提供しています。 また、DXやAIを活用した革新に取り組み、「在宅介護のプラットフォーマー」を目指して、挑戦を続けています。

同社は生成AI時代を見越して、ローコード・ノーコード開発者など4タイプDX人財の育成により、誰もが空気を吸うようにDXを体現する会社への変革を目指しています。しかしローコード・ノーコード開発を全社で取り組むにあたり、DX推進部門内では、ローコード・ノーコード開発者の育成を拡大するリソースが不足し、全社でのローコード・ノーコード開発の普及が進まない状況でした。

しかし2022年より全社的なDX推進体制の強化に着手。24年には、AKKODiSの4日間のDX研修プログラムを実施。当初の計画を大きく上回る72人の社員が研修を受講し、78件のアプリが開発されました。うち全社展開が決まっているアプリが6件誕生しています。

今回の取り組みについて、三浦 裕作さま(株式会社 ヤマシタ デジタル本部 DX推進部)、松井 勇樹(AKKODiSコンサルティング)、田中 勇介(AKKODiSコンサルティング)に、お話を伺いました。
  • 抱えていた課題
    —紙ベースの記録管理と二重作業
    —開発スキルを持つ人材が不足
    —各営業所の異なる課題に対応できない
  • AKKODiSの取り組み
    —4日間の実践型DX研修プログラム
    —ハンズオン形式で現場の課題発掘から解決までを学ぶ
    —講師と共に課題解決する伴走型サポート
  • プロジェクトの成果
    —78件のアプリ開発(うち6件が全社展開)
    —44営業所でのDX開発の実施
    —「課題をデジタルで解決する」という新たな視点の獲得
 

抱えていた課題

技術も人材も足りない――DX化の壁となっていた現場の課題

三浦 裕作さま 株式会社 ヤマシタ デジタル本部 DX推進部
三浦 裕作さま
株式会社 ヤマシタ デジタル本部 DX推進部

―どのような課題を抱えていましたか?

三浦さま:ヤマシタでは、生成AIによってデジタル活用が民主化されていく未来を見越し、4タイプのDX人財(ローコード・ノーコード開発者、AIトレーナー、シティズンデータサイエンティスト、プロダクトオーナー)を育成し、空気を吸うようにDXを体現する会社への変化を目指しています。しかし、全社的なローコード・ノーコード開発者育成において課題がありました。

ローコード・ノーコード開発で解決したい具体的な現場課題としては、紙ベースでの記録管理が挙げられます。現場では、「工場の生産データを紙に出力し、再度Excelに入力する」という二重作業が常態化していました。 これに加え、「日常的に発生するメールやTeamsでの定期連絡を自動化し、業務効率アップを図りたい」という声もありました。

― 課題解決を妨げていた要因は?

三浦さま:ヤマシタに入社して驚くとともに手応えを感じたのが現場社員のDXポテンシャルの高さでした。「お客様を原点に」「チームヤマシタ」「挑戦」「やり抜く」というヤマシタのバリュー(行動指針)が効いています。さらには、有難いことに課題は日常に山積していて、解決策となるデジタルツールの導入にも会社は超積極的。さらに社内では既にローコード・ノーコード開発事例があり、大手企業での取り組み事例を見て、自社でも本格展開できると気づかされました。ただし、DX推進部門内でもローコード・ノーコード開発の経験者が不足しており、全社展開には外部の力を借りる必要がありました。

社員の日常業務の負荷が高く、改善施策に時間を割くリソースが確保できなかったことも大きな障壁でした。これらの要因が複合的に作用し、認識されていた課題でも長期間手が打てない状況でした。
また、全国78拠点の営業所それぞれに異なる課題があるため、現場主導のアプローチが不可欠でした。各事業所の課題を解決するには、現場社員を開発者に育てるのが近道だと考えました。

―課題解決に踏み出すきっかけとなったのは?

三浦さま:EX(従業員満足)とCX(顧客満足)を支える役割として、当社ではDXを重要視しています。プロフェッショナルエンジニアを大量採用して内製開発体制を充実させつつ、非IT職社員が現場の課題を自分たちで発見・解決できるよう、草の根でのデジタル活用力を強化しています。ローコード・ノーコード開発によって、これまで優先順位上システム化が間に合っていなかったロングテールニーズを現場が自身で満たしていくアプリを開発・展開することで、爆速でDXを進めたいと考えました。この研修シリーズも、そうした「社員のDX民主化」の一環です。

 

AKKODiSの取り組み

4日間の研修プログラムで開発技術と課題解決力を強化

―AKKODiSに研修を依頼する決め手となったのは?

三浦さま:具体的な実践型プランとAKKODiS松井さんの提案力です。当初別のベンダーと打ち合わせをしていましたが、曖昧な内容しか提示されず、イメージが湧きませんでした。一方で松井さんは、初回の打ち合わせながら、当社の状況を加味した具体的な提案をしてくれました。

―今回の受講対象者は?

三浦さま:HC事業部(ホームケア事業部)とLS事業部(リネンサプライ事業部)の社員です。研修は3期に分けて行い、当初目標にしていた41名を大きく上回る計72名が受講しました。

AKKODiS 田中(写真左)、松井(写真右)
AKKODiS 田中(写真左)、松井(写真右)

―今回実施した研修プログラムについて教えてください。

AKKODiS松井:4日間のDX研修プログラムを実施しました。AKKODiSが独自開発したプログラムを「ヤマシタさま仕様」にカスタマイズしてご提案しました。ヤマシタさまの研修は、技術的なフォローと4つのバリュー(お客様を原点に・チームヤマシタ・挑戦・やり抜く)の実践を組み合わせたハイブリッド型です。特徴的なのは、ハンズオン形式で課題発掘〜解決までの一連のプロセスを学べることです。

AKKODiS田中:1日目はMicrosoft Power Platformの基礎研修「DX道場」を行いました。実用的なアプリ開発を通して、開発の全体像の理解を促します。2〜4日目は「アイデアソン」「ハッカソン」です。受講者さまが各チームに分かれて現場の課題を洗い出し&整理した後、オリジナルアプリの開発(=課題解決策の実行)に取り組みます。私たち講師陣が伴走し、技術面でサポートしました。

AKKODiS松井:最終日には経営層の前で成果発表も行いました。皆さまレベルが高く、未経験者とは思えないほど完成度が高い発表もありましたね。

―研修で印象的だったことを教えてください。

三浦さま::講師の皆さんが「共に課題解決する仲間」として伴走してくださったことですね。「先生」ではなく「一緒にプロジェクトを回すチームヤマシタの一員」として積極的に受講者に寄り添ってくださったので、受講者のモチベーションも明らかに高まっていました。

 

プロジェクトの成果

78件の新規アプリ開発、6件の全社展開を実現

―研修を通して、どのような成果が得られましたか?

三浦さま:「研修受講者自らが開発に着手できるようにする」というゴールを無事に達成できました。研修中〜後に開発されたアプリは78件(進行中も含む)で、うち6件はすでに全社展開が予定されています。

研修中に開発された「電話帳アプリ」もそのうちの1つです。 社内連絡の効率化には課題があり、着信時に発信者が特定できず、確認や取り次ぎに時間を要するケースがありました。 このアプリは、Outlookと連携して、社内携帯の電話帳にボタン一つで社内の連絡先を登録できる機能です。のちの成果発表でも、その実用性が高く評価されました。

AKKODiS田中:受講者さまの中には、7〜8個のアプリを開発する方もいました。皆さま初心者でしたが「4日間でこれほど成長するとは」と、想定を上回る成果に驚かされました。

―受講者のリアクションは?

三浦さま:とても好評でした。研修後の受講者アンケートは、平均4.7点(5点満点)。 「今まで受けた社内研修で一番良かった」「ローコード/ノーコード開発のノウハウを体系的に学べた」というコメントも多く、現場へ戻ってすぐに実践したいという前向きな姿勢も見られました。
非IT社員の皆さんの考え方にも大きな変化がありました。研修前は「システム部に頼むしかない」と思っていたことが、自分自身で課題を分析し、具体的なソリューションを考え、実際に形にできた。この成功体験が大きな自信になっているように思います。

個々人の課題の捉え方も変わりました。研修を通して新たな視点を得たことで「この課題はデジタルで解決できる」という考え方になりました。単なるDX研修ではなく、課題発掘から解決に至るまでの視点と技術の両面を養うことができました。

 

全社員の10%をDX人材に。ヤマシタの開発者育成計画

―これからのビジョンを教えてください。

三浦さま:私たちは、2027年までに全社員の10%(約360名)をローコード/ノーコード開発者にするという中期目標を設定しています。「誰もが空気を吸うようにDXを体験する会社」という目標の実現に向け、非IT社員発アプリの全社展開数30件を目指し、次のステージへ進んでいきます。 今後もAKKODiSとのパートナーシップを強化しながら、現場発の変革を継続していきたいですね。

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